在宅で、家族による長時間介護の負担を軽減するために計画、施工しました。
緑斜線部が、改築範囲
右下(南東)の和室を介護室として改築
右上の勝手口ポーチから室内へ入るため、床の間の後ろ壁を撤去
水色斜線部が、改築施工部分
茶色斜線部は、増床部分
介護室は、車イスで移動するため、木質フロアーに
台所と介護室は、押入れなどを撤去し、最短での動線を確保しバリアフリーに
緑色斜線部は、福祉車両や車イスでの移動がしやすいように改修した部分
北西側を福祉車両のアプローチとした
南側には、介護室からバリアフリーで移動できるサンルームを設置
サンルームからは緊急避難用スロープを使い外部へ出られる
開放になっている勝手口アプローチを利用し、車イスの進入路を計画する
入口に2枚引込戸を設置し、車イスの通行に十分な開口巾を確保
右となりに新設の勝手口を
引込戸をあけると段差解消機、奥の3枚引き戸は和室床の間の後ろ壁だった
住みながらの改築工事のため、順次完成した部屋に荷物を運び込む。
その為、写真には、荷物がたくさん写り込んでいます。 ご了承を・・・
右 床の間の後ろ壁は勝手口ポーチ外壁
床の間後ろ壁には、3枚引き戸を設置し、車イスでの出入りを容易にした。
左 押入れは介護用品収納棚と作業台を置くスペースに
右の柱を半間左に移動
柱を移動することで、1間の開口部を確保し4枚折れ戸を設置
居間と隔てていた、収納を撤去し、廊下との段差を解消
車イスはもちろん、ベッドも通行できる開口部を確保した
主に、洗濯物干し場として使われていた広縁と和室
有効に使うため、介護スペースとして改築
広縁と畳の間を1室とし、木質フロアー貼りとした。
南の4枚引き戸は、サンルームの出入り口となるため、バリアフリー仕様
勝手口ポーチに段差解消機を入れるため、既存の勝手口がなくなる。
ゲタ箱後ろの外部壁に新たに勝手口を設ける
勝手口を設けた外壁は、耐力壁であったため、左側の小窓があった壁に耐力壁を設け、構造的な問題を解消した。
訪問介護ヘルパーさんの出入り口となる。
居間と和室の間には、食器棚の後ろの収納庫と廊下がある。
それらを撤去することで、居間と介護スペースの最短の動線を確保する
4枚折れ戸を設置することで1.5m程の有効開口巾を確保、ベッドのままでも居間まで移動可能
新たにできた壁コーナーを利用し、電話置場に
窓側に向いていたキッチン、居間とキッチンを隔てる吊戸付のカウンター
台所仕事中には、家族の様子は見えない
撤去できない柱を理活用し、アイランド型キッチンに
台所で作業中も、居間と一体感ができ、さらに介護スペースの気配も感じることができる。
打合せに約半年を費やしたおかげで、当初計画通りの使い方ができている。
構造的には、新耐震基準を満たしていたが、壁や柱の撤去・移動には耐力度計算をしながら、慎重に計画した。
自宅での介護は、家族の相当な負担を強いられるが、今回の改修で家族の体力的な負担はずいぶんと軽減できたと思われる。
訪問介護士も、快適さを絶賛していると聞いた。